サケカス

お酒と対話と少しの音楽を

今日も、会社帰りに

お知らせ

2026.5.21

VOICE

「ロジックを脱ぎ捨てて踊れ。都会の夜に炭酸が弾ける、大人のエモーショナル・ロック」

配信してもまだまだ認知が足りないので、いつもご贔屓にしてもらっている音楽ライターの時ェ見二さんに無理言ってライナーノーツを仕上げて頂きました。掲載する場所がなかったのでとりあえずサイトにて公開します。

乾いた日常を撃ち抜く衝撃作。洗練されたシティーポップから、感情が怒涛の決壊へ

都会的でありながらどこか哀愁が漂うシティポップの要素と、後半に向けて一気に熱量が高まるエモーショナルなロックの展開が非常にドラマチックで、胸に刺さる素晴らしい楽曲ですね!

楽曲解説:『リーマンレモンサワー』

乾いた心に注がれる、等身大の夜のファンク・ロック

軽快なカッティングギターとグルーヴィーなベースライン、そしてお洒落なエレピ(エレクトリックピアノ)の音色。イントロから一瞬で都会の夜の景色へと引き込まれる本作『リーマンレモンサワー』は、現代を生きるすべての人々へ贈る、最高にエモーショナルな応援歌だ。

タイトルが示す通り、描かれているのは日々の生活や仕事に追われ、どこか「乾いた心」を抱える等身大の私たちの姿。

前半のAメロ・Bメロでは、シティポップやアシッドジャズを彷彿とさせる洗練されたアーバンなサウンドに乗せて、都会の人混みや、仮面を被ってやり過ごす日常の息苦しさがリアルに歌い上げられる。〈ぐるぐる視界は回る〉〈作り笑いを貼り付けて〉といった歌詞は、誰もが一度は経験したことのある「都会の孤独」や「疲れ」を鮮烈に浮かび上がらせる。

感情の決壊。静から動へ、鮮やかに弾けるカタルシス

しかし、この楽曲の本質は単なる哀愁では終わらない。サビに向かって一気にボルボレージ(熱量)を増していく展開こそが、この曲の真骨頂である。

〈今だけは……!〉という魂の叫びとともに突入するサビでは、それまでのクールなカッティングから一転、歪んだディストーションギターが炸裂。文字通り「レモンサワーの炭酸が弾ける」かのように、抑え込んでいた感情が一気に決壊する。

〈叫んで 溢れて 不安かき消して〉

このストレートなリフレインと、ハイトーンでエネルギッシュに歌い上げられるボーカルのメロディラインは、聴き手の心の奥底にある澱(おり)をすべて洗い流してくれるかのような圧倒的なカタルシスを放っている。

明日を生きるための「苦味」と「救い」

間奏のファンキーなギターソロを経て、楽曲はさらにエモーショナルな深みへと進む。

〈今日は何が進むんだろう〉

〈いったりきたり 繰り返し 不器用にぼくら 明日をつくってる〉

現実の厳しさや不器用な自分を認めつつも、それでも「明日」へ向かって泥臭く進んでいこうとする意志。後半のブレイクから大サビへの流れは、まさにライブハウスで拳を突き上げたくなるような熱い一体感に満ちている。

ラストは、まるで祭りのあとのような余韻を残しながら、疾走感とともに潔く締めくくられる。

冷たいレモンサワーが喉を潤し、ほんの少しの苦味を残して消えていくように、聴き終えた後には「よし、明日もまた頑張ろう」と思える不思議な爽快感が残るはずだ。

都会の片隅で戦うすべての人に、今夜この1曲を捧げたい。

(文・時ェ見二 具具琉)